気配りは苦手だ。それでも、飯も喉を通らない相手は放っておけない――『仕事は99%気配り』を読んで
ある日、更新したばかりのWebサイトが崩れたという問い合わせが届いた。
どこかを触った直後から、表示がおかしくなったらしい。
詳しい事情をすべて聞いたわけではない。ただ、送られてきた文面を読んでいると、担当者が置かれている状況が浮かんできた。
「きっと上司に詰められて、飯も喉を通らないだろうな」
そう思った。
こちらにも、先に進める予定だった仕事はある。問い合わせには順番に対応するのが普通なのかもしれない。
それでも、自分が相手の立場なら、原因が分かるまで落ち着いて待ってはいられない。
そこで予定を入れ替え、取り急ぎ元の状態へ戻した。
復旧を確認して、すぐにメールを送った。
「また起きたら、すぐ言ってください」
細かな原因や今後の対応を説明することも必要だ。ただ、そのとき一番先に必要なのは、崩れた画面を戻し、担当者がひとまず安心できる状態にすることだった。
気配りは得意じゃない
こう書くと、私はずいぶん気配りのできる人のように見えるかもしれない。
実際は、まったく逆だ。
親切や気配りが自然にできる人を見ると、「よくそこまで気づくなあ」と感心してしまう。自分はそういうことが本当に苦手だと思っている。
川田修さんの『仕事は99%気配り』を読んだときも、感想はまず「そこまでやるか」だった。
この本には、相手の立場を考えて動くための、細かな実践がいくつも出てくる。
ひとつひとつは派手ではない。ただ、それを毎回、相手が変わっても自然に続けるとなると、簡単ではない。
それでも、そこまでできる人がいると知れば、自分にできることくらいはやりたいと思う。
相手の不安を想像する
普段の私は、相手が期待していることに気づかないことも多い。あとから「あれをしておけばよかった」と思うこともある。
ただ、気配りを「感じのよい振る舞い」だけだと考えると、自分には難しく見える。
相手が今どんな状態にいるのかを想像し、それによって自分の行動の順番を変えることも、気配りのひとつなのだと思う。
行動の順番を変える
気配りは、何かを付け加えることだけではない。
相手がいま一番困っているものを先に取り除く。そのために、こちらの予定を少し動かす。
本に出てくるような「そこまでやるか」には、まだ遠い。
それでも、自分なら飯も喉を通らないと思う場面くらいは、見過ごさずにいたい。
この記事で扱った本
Amazonで見る仕事は99%気配り