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『間宮兄弟』を読んで · 読後エッセイ

あんなふうにガハガハ笑えたら――『間宮兄弟』

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いい年をした兄弟が一緒に暮らしている。恋愛はうまくいかない。でも二人は楽しそうだ。

江國香織の『間宮兄弟』を読んだのは、もう18年ほど前になる。

僕と弟の関係とはずいぶん違ったから、最初は「こんな兄弟もいるんだ」と可笑しく読んでいた。

二人で遊ぶ。好きなものを楽しむ。よく笑う。ガハガハ笑う。

世間から見れば、心配されそうな暮らしかもしれない。結婚はどうする、恋人は、将来は。余計なお世話だと思いながらも、ついそういう物差しで見てしまう自分もいる。

でも、二人はそれに合わせて暮らしているようには見えない。

二人にしか通じない会話があり、笑えることがある。それで十分に楽しそうなのだ。

読んだ当時も面白かった。今はそれ以上に、少し羨ましい。

僕は今でも、人の暮らしと自分の暮らしを比べることがある。別に毎日悩んでいるわけではない。それでも、世間で幸せと呼ばれるものを見ると、どこか引っかかる。自分には何か足りないんじゃないか、と。

幸福は人それぞれ。

分かっている。そんなことは分かっているのに、頭で納得しただけでは消えないものがある。

間宮兄弟は、何かを証明しようとしていないように見える。「これでいいんだ」と自分に言い聞かせているふうでもない。ただ、その日の楽しさをちゃんと楽しんでいる。

そこが眩しい。

18年前の僕には、ちょっと変わった兄弟の話だった。今の僕には、あの笑い声が違って聞こえる。

あんなふうに、何も気にせずガハガハ笑えたら。たぶん、それだけでいい日だ。

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