『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』を読んで · 読書感想・書評
ヒット商品の完成形から、企画の出発点へ――戸田覚『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』を読んで
IT商社でマーケティングを担当していた頃、戸田覚さんの『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』を読んだ。
すでに世の中で知られている商品が、最初はどんな案から始まったのか。完成した姿を知ったうえで企画書をさかのぼれるのが面白かった。
完成品を知っているから
本には、ヒット商品の企画書の現物や、担当者が語る開発の裏話が載っている。
手書きのラフやプレゼン用の資料まであると、完成品から受ける印象と、まだ形になる前の案との距離が見える。
特に覚えている商品の一つが、auの携帯電話「INFOBAR」だ。
企画を伝えるために試作模型を作り、上層部に見せたという話も印象的だった。まだ存在しない商品の魅力を、言葉だけで相手に想像してもらうのは難しい。
形にして目の前に置くと、伝わるものが変わる。その工夫は、マーケティングの仕事をしていた自分にも興味深かった。
企画が通るまでの話
アイデアがどこから生まれ、試作や失敗を経て、どうやって周囲を説得したのか。担当者の話を読むと、ヒット商品にも、発売されるまでの長い時間があると分かる。
自分にとっては、すぐ使える書き方を拾うための本というより、ものが生まれる舞台裏を知る読み物だった。
一方で、良い案ならそのまま伝わるとは限らない、という感覚は残った。相手がまだ見たことのないものを、どうすれば同じように思い描けるか。
INFOBARの試作模型の話を思い出すと、企画には考える力だけでなく、人に見せる工夫も必要なのだと思う。
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あのヒット商品のナマ企画書が見たい!